2023年10月20日金曜日

事業報告19 よりあい塾 「アジア映画観賞会」

 ●10月19日(木) 10:30~

 今回は、公民館事業としては初めての映画鑑賞会を行いました。福岡市総合図書館の映画上映貸し出し事業で、インドネシア制作の「ジャングルスクール」(90分)です。今回は24名の参加をいただき、秋のさわやかな季節の中、花畑映画館で90分間の鑑賞を楽しみました。

 最初に、福岡市総合図書館の文化・映像課の三浦さんより、図書館の映画ホール・シネラの紹介と映画の概略を説明していただきました。

 ブテット映画の内容

 インドネシアのスマトラ南部のジャンビ地方の国立公園(ジャングル)で環境保護を続けているNGOに参加した、サウル・マルニナ・マヌルン(本名)という女性のお話です。彼女は、文明社会と無縁に、奥地で独自の暮らしをする部族に入り込み、共に生活しつつ、インドネシア語の読み書きや算数を教え始めました。しかし、国立公園の環境保護という名のもと、部族独自の居住地域や活動に様々な観点から規制が設けられました。

 開発とか発展の名のもとに、スマトラ奥地は急激に変貌し、自然も先住民の暮らしも破壊されています。彼女(映画の中ではブテット:スマトラの女性に一般的な名)にとって、読み書き算盤を教えることは、先住民が逃げ切れない文明と対抗するための最小限必要な手段で、これにより生きていく選択肢を広げられるといっています。彼女の言葉で「知識は順応すための武器になる」と映画の中で表現していました。一方、何より彼女自身が先住民との暮らしを通じて、近代文明の弱点を、文明人の愚かさを思い知らされることになったといっています。

 彼女のやり方は、やがて既存のNGOと齟齬をきたすようになり、2003年に独自のNGOを立ち上げ、「森の学校」(自伝的な著作名にもなっています)を設立することになりました。これを映画化したのが今回の「ジャングル スクール」です。

 スマトラのジャングルでの彼女の仕事が、タイム誌の2004年の『HERO OF ASIA』を受賞したことによって、世界的に有名になり映画化されることになりました。

 映画の感想より

〇教育に対しての熱い思いを持ち続けること。それによって周りの人たちも動かし、学校設立を実現できたことは素晴らしいことだと感じました。思い続けることの大切さを学ばせていただきました。ありがとうございました。

〇アジアの映画をほとんど観ることがなかったので、今回の上映会は大変良かったです。

〇先進国では全ての生活物資、学習の場が備わっているので、学ぶことの大切さが分かっていないと思います。言葉は悪いですが、貧しい中でのほうが考える力、学ぶ努力は底知れないと思います。

〇実在の人物ということでとても心に残る映画でした。これからもこのような機会を作ってください。毎年上映してください。

〇総合図書館へは少し遠いので、公民館で年に一度でも映画上映されれば、ぜひ参加したいと思います。この映画ですごくエネルギーをもらいました。

〇素晴らしい映画でした。識字教育の在り方。今では日本は義務教育で字の読み書きができない方は少ないと思いますが。夜間中学とかがあり、学ぶ機会はあるようですが。

〇アジアの映画は初めてでした。自然の大切さを改めて考えさせられました。

 たくさんのご感想ありがとうございました。来年度の事業の参考にさせていただきます。                   

 南区は「陸の孤島」と言われることもあります。文化施設の利用もままならない南区です。今回のような、福岡市総合図書館の出前事業はとてもありがいです。三浦さん、岡さん、とても貴重な機会を設定していただき、ありがとうございました。      END