2023年12月25日月曜日

1月の予定とセールスポイント

        「いくたびも 雪の深さを たづねけり」 正岡 子規

 例年にない寒さの厳しい12月でしたが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。雪も降りましたが、子どもたちが雪遊びをするには積もり方が足りなかったようですね。

 年が明けると、公民館も、新しい年度に向け準備作業が始まっていきます。辰年ですので、公民館の行事を通して地域の皆様と一緒に、飛翔できる年になりますことを願っております。

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事業報告27 「バンブーオーケストラ那珂川」       Xmasコンサート

 ●12月23日(土曜日) 10:30~12:00

 校区にお住いの桐谷さんのご紹介で、「バンブーオーケストラ那珂川」をお呼びすることができました。このオーケストラは、ふるさとに固有の芸能を育てることを目的に、平成16年に結成されたグループです。地元に育っている竹を使って、メンバーの手作りで竹楽器を製作してあります。竹の選別・伐採から始まり、油抜き、乾燥を経て、ようやく楽器の制作に取り掛かれます。自然に育った竹なので、一本一本の音色に個性があり、音を合わせる作業にとても神経を使われるそうです。那珂川市とその周辺から集まられた、幼児からシニアの方々、約30名が在籍されているそうです。

 当日は、13名の演奏者の方に来ていただき、次のプログラムで演奏していただきました。

 主旋律を奏でる笛(篠笛)以外は、すべて那珂川市に育っている竹を使って楽器を作っているということです。楽器の紹介も丁寧にしていただきました。

  当日は、寒波の残る寒い日でしたが、79名の地域の方にご参加いただき、竹楽器の演奏で、講堂は温かい雰囲気に包まれていました。
 全部で13曲を演奏していただきましたが、途中の休憩時間には、竹楽器を直接触らせていただいて、竹の音色を楽しむ方が大勢おられました。
 サザエさんの曲では、小学生による飛び入りのラッパの演奏も加わり、楽しい雰囲気が一気に広がりました。
 この日参加された演奏家の中には、3組の家族がおられました。小学5年生(4歳のころから始めたそうです)の男の子も素晴らしい演奏を披露してくれました。「バンブーオーケストラ那珂川」の方々は、毎週火曜日、那珂川北中学校で19時から2時間練習しているそうです。興味のある方、大歓迎ということです。
 竹の音色の余韻を感じながら、バンブーオーケストラの演奏は終了しました。
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2023年12月21日木曜日

事業報告26 よりあい塾「チェロ&ピアノ、               Xmasコンサート」

 ●12月21日(木曜日) 10:00~11:30

 今年一番の寒波に見舞われ、朝から雪が舞う寒い一日でしたが、40人の方の参加があり、本年度第7回目のよりあい塾「チェロ&ピアノ、Xmasコンサート」が開催されました。

 チェロの演奏者:田村 朋弘さん。ピアノ演奏者:戸田 友紀子さん。お二人は花畑校区の柏原にお住まいで、11月の「絵本のひろば」の『絵本の玉手箱コンサート』でも演奏していただいたご夫婦です。生演奏の素晴らしさを再び味わえると、この日を楽しみにしておりました。今回の演奏曲目は、Xmasをメインに構成していただきました。


 最高気温が3℃と、とても寒い日でしたが、ピアノの戸田さんはノースリーブのドレス姿で、ご夫婦で寒さにも負けず熱のある演奏をしていただきました。夫の田村さんがMCを務められ、一曲一曲に丁寧な説明をしていただいたので、曲に対するイメージを膨らませながら聞くことができました。演奏の音をお送りすることができずとても残念ですが、写真でコンサートの雰囲気を感じ取っていただければと思います。
 途中休憩をはさみ、全部で13曲とサプライズ曲「津軽海峡冬景色」の演奏もありました。妻の戸田さんは、休憩後は真っ赤なXmasカラーのドレスに変身され雰囲気を大いに盛り上げていただきました。また、お二人から、音符(♪)のシールが張ってあるプログラムをもらわれた6名の方に、ポインセチアの鉢植えのプレゼントもありました。お心遣い本当にありがとうございます。
 最後にアンコールの仕方も丁寧に教えていただき、参加された皆さんの大きなアンコールの声援で、「ルパン三世」と「きよしこの夜」の2曲を演奏していただきました。多くの皆さんが「来年もぜひ演奏会をしていもらいたいね」と話してありました。

 演奏終了後は、参加された皆さんを玄関で見送っていただきました。同じ校区にお住まいですので、これからもよろしくお願いいたします。
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2023年12月16日土曜日

HaNaHaTa紹介コーナー 「秋のスポーツ大会」

 ●11月19日(日曜日)

 少し遅くなりましたが、11月19日に行われた地域のスポーツ大会をご紹介します。

体育館では体育部主催の「インディアカ大会」と「ソフトバレーボール大会」が時間差で実施されました。運動場では小学部主催の「モルック大会」が初めて開催されました。

(1)インディアカ大会

  インディアカは、基本的にはバレーボールと同じルールで、ボールの代わりに羽根(シャトルコック)を手のひらでヒットして、相手のコートに返して競い合う競技です。

 体育部の樋口部長の挨拶の後、本年度(コロナ等の影響で久しぶりの開催です)は4チームの参加で大会が行われました。
 優勝は柏原1です。経験したことのある方の話ですが、片手の手のひらだけで羽根をコントロールしなければならないので、慣れるまでに時間がかかるそうです。手のひらも、手首のところの土手にきれいに羽根を当てないとしっかり飛んでいかないということでした。

(2)ソフトバレーボール大会

 ソフトバレーボール大会は昨年に引き続き開催され7チームの参加で大会が行われました。優勝は花畑3丁目です。合計3試合、1セットも落とさず完全優勝でした。


(3)モルック大会

 モルックとはフィンランドのカレリア地方の伝統的なゲームを元に、1996年に開発されたスポーツです。伝統的な遊びは、木の枝を投げて的を倒して遊んだところから始まったようです。現在は下の写真のように、番号のついたピン(木製)をボーリングのように並べて、一定の距離から木の棒(モルック)を投げて倒し、その合計の点数を競います。

【ルール】

 モルックを投げて、倒れたスキットル(点数の書かれたピン)の内容(本数または表示されている数字)によって、50点ピッタリになるまで得点したほうが勝ちです。ただし、50点を超えてしまった場合は、25点へ減点され、ゲームが継続されます。

 チームの人数は、世界大会では4人1チームですが、普段遊ぶときには2人いれば対戦できます。何人いても、チーム戦にしたり、個人戦にしたり臨機応変にプレイできます。

 3~4人制の試合では、それぞれのプレイヤーが順番で1回ずつ投げますが、普段遊ぶときは、何回投げるかはその都度回数を決めて遊ぶことも可能です。

 

 ほとんどの子が初めての経験でしたが、ルールが簡単だったこともあり、また、一人一人に活躍の場があることで、みんなわいわいがやがや楽しそうにプレーできていました。

 しかし、大会ということで当然のことながら勝敗が関係してきます。トーナメント方式で運営されていましたが、1回戦で負けた子どもたちは後は何もすることがありません。そこは、小学部の横瀬部長の計らいで敗者復活戦も行われていました。

 この、モルックは車いすに乗っていてもプレーすることができます。また、室内で出来る材質でモルックやピンを作れば雨の日でも活動ができます。これからもいろんな人が経験してその楽しさを広げていけるといいですね。

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2023年12月15日金曜日

事業報告25 ふれあい広場「かわいい クリスマス会]

 ●12月13日(水曜日)10:30~

 今回のクリスマス会は、12組の親子(乳幼児13人、大人12人)の参加がありました。Xmasというと、少し寒くて時には雪でも舞ってほしいと思いますが、今日はポカポカ陽気でまるで春のようで子どもたちも参加しやすかったようです。

 最初に、6人の民生委員さん「リンリンシスターズ」のハンドベルの演奏です。1曲目は「キラキラ星」、2曲目は「もろびとこぞりて」、3曲目は「赤鼻のトナカイ」で、すべてXmasバージョンで演奏していただきました。ハンドベルを初めて経験される方もおられたようで、練習は、なんと10月から毎週1回続けてこられたそうです。子どもたちはみんな、ハンドベルの美しい音色に引き込まれていたようです。1曲終わるごとにうれしさを表現していて、最後には大人に混じって拍手し、喜んで飛び跳ねている子もいました。演奏の素晴らしさを子どもたちも感じ取れているんだなあと思いました。

 シスターズの皆さんんは「アンコールがきたらどうしよう…」と、心配されていたそうです。あまりの上手さに酔いしれていて「アンコール」と言うのを忘れていました。本当に素晴らしい演奏ありがとうございました。

 次は、ボランティアスタッフの秀島さんによるサックス演奏です。さらにXmasの雰囲気がアップしています。秀島さんはサックスを習い始めて8年目ということですが、どの子も生演奏の臨場感に聞き入っていました。

 

 次は、公民館主事さんによる歌の時間「真っ赤なお鼻のトナカイさん」と、スケッチブックシアターの始まりです。楽しい活動には、自然と子どもたちは体を動かし、主事さんの周りに集まってきています。スケッチブックシアターは手作り作品です。さて、どんなプレゼントが現れてくるでしょう。

 
 いよいよ最後は、サンタさんの登場です。サンタさんが会場に入ると、子どもたちの様子は喜びというより、表情が少しこわばった感じです。サンタさんが近づくと泣きそうになる子もいます。まだ、「サンタさん=プレゼント」と、結びついていない子もいるんですね。
 まずはみんなで記念撮影をしてからプレゼント渡しです。


 「怖そうだけど…。プレゼントは欲しいなあ~。」泣き出す子もいましたが、お母さん方の強い思いもプラスして、全員無事にサンタさんからプレゼントをもらうことができました。
END

2023年12月14日木曜日

事業報告24 JAZZコンサート in 花畑 2023

 ●12月9日(土) 19:00~21:00

 今年も、年末の花畑校区にJAZZの音色が響き渡りました。今年で6回目になるJAZZコンサートですが、毎年このコンサートを楽しみに待っておられる方もたくさんおられます。今年はスタッフを含め総勢68名の方が、「花畑ジャズクインテッド」の皆さんの素晴らしい演奏に、お酒は飲まれていませんが、酔いしれていただいたと思います。

 クインテッド(5人組)の中で、今年はサックスの副島さんが新たに加わられました。メンバーと曲目をパンフレットでご紹介します。

 今年も、男女共同参画部の皆さんと公民館の共催で開催されました。皆さんのチームワークがとてもよかったと思います。それは、参加された方の感想から満足されている様子がしっかりと伝わってくるからです。最初に、コンサートに参加された方の感想をご紹介します。

〇初めて参加させていただきました。とても楽しいジャズコンサートで嬉しかったです。来年もぜひ参加したいと思います。

〇久しぶりに視聴させていただいた演奏・歌声は、ダイナミックで臨場感が素晴らしく聞き入ってしまいました。今後、コンサート・生演奏を聞く機会を増やしていただきたいと思いました。

〇良質な音楽を無料で聴けてありがたいです。来年度も開催お願いします。

〇美しい歌声と音と光に包まれた素敵な時間でした。今回のジャズコンサートでジャズが好きになり、もっとジャズについて勉強したいと思います。ありがとうございました。

〇初めて参加させていただきました。懐かしい曲ばかりで若かりしころに戻ったようで楽しませてもらいました。ウイットに富んだ歌手の方、本当に素敵な声でした。スタッフの方々本当にありがとうございました。

〇早く、ワインでも飲みながらこのジャズコンサートに参加できる日が来ますように‼

〇1年1回といわず、七夕とXmas、年2回してみては?楽しかったです。

 音楽を流せないのは残念ですが、参加された方の感想をもとに写真で雰囲気を感じ取ってください。



 最後は、アンコールの曲で終わる予定だったのですが、会場の皆さんの熱烈な再アンコールがあったので、急遽もう1曲演奏していただきました。本当に突然でしたが、さすがにプロの演奏家の皆さんです。一度もリハーサルされたことのない曲を見事に披露していただきました。

 来年も是非、花畑公民館で演奏していただけると嬉しいですね。
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2023年12月11日月曜日

事業報告23 「花畑 絵本のひろば 2023」

 1126(日曜日)

 当日は好天に恵まれて、スタッフも含め総計で176名の皆様にご参加いただきました。     (乳幼児43人、小学生42人、中高生1人、成人71人、高齢者19人)

 昨年までは、「絵本カーニバル」として、開催していましたが、本年度はより地元に密着した事業にしようという思いで、名前を「絵本のひろば」と改めて開催しました。今回は主催者も参加者もみんなで楽しもうというねらいで、特に、実行委員10名の創意工夫を生かした楽しいブース作りを心がけました。4月20日の第1回目の実行委員会からスタートして、計7回、8カ月に渡って準備を進めてきました。

 今年も柏原中学校の美術部の皆さんのご協力を得て、入口の大看板とプログラムのフライヤーを絵本の雰囲気に合わせて作成していただきました。可愛い作品本当にありがとうございます。

 今回の報告は、開場前の様子から各ブースの様子を時間を追って、写真とともにご紹介します。

1)会場準備の様子

2)絵本ブースの様子

3)各ブースの様子


 A.絵本の読み聞かせ(10:30)

  花畑公民館ではお馴染みの、子どもの本エルマー専門店の前園敦子さんに来ていただき、子どもにとっては楽しく、大人にとっては絵本の魅力と子育てのポイントを知らせていただきました。 

乳幼児期の絵本の読み聞かせの重要性

〇語彙力を獲得するためには、0歳から言葉かけをすることが大切。そのためには大人が変わらないといけない。

〇お母さんから言葉かけをしたら幸福感が変わる。

〇乳幼児はママのやさしい言葉が好き。求めている。➡愛着心がわく。

〇特に電話をしている声(よそ行きの声)が好き。

〇4~5か月までは、視力が定まっていない。なんでもない音にビックとするくらい、聴力にたけている。                                      

 赤ちゃんから小学生から子育て中のパパ・ママ。みんなが前園さんのお話や、読み聞かせに集中してとてもアットホームな1時間でした。子育て中の方にとっては、絵本の大切さを実感できる良い機会になったのではないかと思います。

 B.お昼寝アート(11:30)

 今回もお昼寝アートの認定講師:小屋 小代里さん(日本おひるねアート協会)の方に来ていただき、季節に応じた作品を準備していただきました。先着12組でしたが、14組の方がアートに参加されました。

 C.チリンチリンの紙芝居屋さん(11:30)

 今では60代以上の方しか経験したことがないと思いますが、紙芝居屋さんを復活しました。昔は子どもが小銭を握りしめてアメを買って見ていたのですが、今回は子どもたちにアメを配って見てもらいました。

 D.花畑寺子屋カフェ

 夏休みの宿題寺子屋で実施した「花畑寺子屋カフェ」の再開です。カレー、コーヒー、大学芋と焼き菓子を準備しました。大人の方には料金をいただきましたが、子どもは絵本を読んで一言感想を書けばカレーはただになります。地域のソフトボールクラブのファルコンズの皆さんは、午前中の練習後に参集してくれて、絵本に触れ美味しいカレーをゲットしていました。焼き菓子は、地域の青木さんのご協力を得て、プロ顔負けのふわふわの台湾カステラを作っていただきました。あっという間に完売しました。子どもの感想もご覧ください。


 E.駄菓子屋さん「花ちゃん」

 子どもたちの楽しさを応援してくれるのはお菓子。しかも、安価でたくさんもらえる駄菓子屋さんは必須のアイテムです。卸屋さんから仕入れて入り口の目立つところに開店しました。

 F.「お弁当バス」大型絵本

 保育園の勤務経験のある実行委員さんが数ヶ月かけて特大の絵本を作成しました。一度にたくさんのみんなが楽しめます。読み聞かせもバッチリ、自分のお弁当を作りたくなります。そこで、お弁当作りのワークショプへ移動です。準備されたたくさんの具材から自分が食べてみたいお弁当を作り上げました。出来上がった作品は公民館ロビーに掲示しています。お弁当を見ながら、来館者が足を止められ、「美味しそうだね。大盛やね。」と、話の花が広がっていました。

 G.「絵本の玉手箱コンサート」14:00

 校区にお住まいのプロの演奏家、戸田友紀子さん(ピアノ)、田村朋弘さん(チェロ)、お二人はご夫婦です。そして、歌のお姉さん太田智子さんの3人で、音楽が奏でる絵本の世界を表現していただきました。プロの演奏家のBGMにプロの声楽家による絵本の読み聞かせ❗                  ️      なんと幸せに満ちた贅沢な時間なのだろう…と、感動いっぱいでした。



 F.リユースコーナー

 「まだまだ着れる孫の服などをリユースできませんか?」と、以前から地域の方からご提案をいただいておりました。今回の絵本の広場では、乳幼児の参加も見込まれましたので、提供していただいた服のリユースコーナーをロビーに設けました。校区内のいろんな方からリユース品を提供していただきました。心よりお礼申し上げます。提供していただいた子供服は、1人、5点までの持ち帰りを可能にして、新しい持ち主のもとに引き取られていきました。まだ、継続中ですのでぜひお立ち寄りください。

 これからも、機会があればこのようなコーナーを設けていけたらと思っています。

  昨年までは2日間に渡っての開催でしたが、今年から午前10:00〜午後16:00までの1日開催としました。その分、内容は盛りだくさんでしたが、少し時間に追われて、スタッフにとっては慌ただしく時が過ぎて行くような感じでした。ただ、参加していただいた方々は、一様に満足された表情をされていたと思います。翌日の朝、登校中の小学生から「昨日は楽しかったあ~」と言ってもらい、思わず「ありがとう。またおいでね」と答えていました。

 スタッフ一人一人も、「忙しかったけど楽しむことができた」と、やり切ったという思いを出し合っていました。

 来年に向けて、もう少し課題を整理して「花畑絵本のひろば」をさらに発展させていきたいと思います。

                     END

2023年11月24日金曜日

12月の予定 と セールスポイント

 「山茶花の 咲きてことしも 師走かな」  久保田 万太郎

 晩秋をじっくりと味わう時空もなく、師走がやってまいりました。温暖化の影響をいろいろな場面で感じる今日この頃です。Xmasの雰囲気も心なしか盛り上がりに欠けるような…。

 公民館では温暖化にも負けず、12月は、Xmas行事で盛りだくさんです。乳幼児から成人・高齢者までいろんな場面でお楽しみいただけるようにしております。たくさんの皆様のご来館をお待ちしております。

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2023年11月18日土曜日

事業報告22 よりあい塾「歌って笑って『老い払い』」

 ●11月16日(木曜日) 10:00~ 

 今回よりあい塾(成人~高齢者対象)は、元西日本新聞の論説委員を務められた、ライターの 中川 茂 先生をお招きして、「歌って笑って”老い払い”高齢社会漫談とピアノの弾き語り」という内容で講演をしていただきました。演題にふさわしく?22名の高齢者(全員60歳以上)の参加があり、10時から始まって11時40分まであっという間に時間が過ぎていったようでした。


  講演は、前半、高齢化社会の現状と課題について、後半、中川先生のピアノの弾き語りで進められました。
 「高齢化社会の現状と課題」については、中川先生のレジュメをもとにご紹介いたします。

1)超高齢社会の現状、実態
 「人類の夢」を体現する長寿社会。人類が未経験の領域へ
  〇平均寿命  世界一 女性87歳(世界平均73.8歳) 男性81歳(世界平均69.1歳)
  〇健康寿命 女性75.4歳 男性72.2歳 ※平均寿命と大きな差。➡介護予防の普及
  〇高齢化率 2023年 国民の29.0% ➡2025年 30.3%へ(1966年=6.3%)
  〇元気な高齢者:一昔前より、10歳くらいは「若い」のでは
                  👇
 日本人は人類史上にない長寿を実現した。一昔前の王侯貴族も及ばない贅沢な
医療環境を享受している。だが、未体験の「超長寿社会」だけに、思いもよらな
い課題や問題が噴出し、年々深刻化している。                             

2)超高齢社会の課題
  〇社会保障給付費(医療、年金、介護)
   2000年  医療26兆円 年金41兆円 
   2025年  医療54兆円 年金60兆円 介護19兆円  …推計
  〇医療 「医学の進歩が国を亡ぼす」「延命治療は世界の非常識」との論調も
   一人年間平均 75歳以上95万円、75歳未満は22.6万円
   国保険料、2012年の月平均7600円➡2025年9300円
   人口当たりCT、MRIの台数は世界で断トツ。極まる高度医療。
  〇要支援・要介護  「介護の社会化」の当初理念は行き詰まり、大きく後退
   介護保険料 2000年 月平均2911円➡2025年 8200円へ
  〇介護職員  人手不足。外国人労働者で補えるか?
   介護職員の平均給与は約22万円。全業種平均より10万円安い。
   働きながら介護する人の増加。介護離職が年間10万人。
  〇認知症高齢者 「恍惚の人」(有吉佐和子)の問題提起の重さ!
   2020年 602万人。2025年 730万人。 半数は自宅介護。
   認知症の行方不明届け出、年間17000人。うち約500人が死亡。
                  👇
  ・経済的にゆとりのある高齢者は、負担増、給付削減を甘受する。 
  ・終末期医療の見直し。無理な延命治療より「看取り」を重視。  
  ・高齢者の社会参加を促進。就労できるうちは、何らかの就労を。 
  ・介護予防の徹底。(結果として健康で、医療費軽減につながる) 
  ・消費税率の引き上げ。加えて、相続税課税や資産課税の強化など。
  ●政治の思い切った決断、リーダーシップが要る。        
      「シルバー民主主義」のままでは、改革は進まない●   

3)人権面での問題
  高齢者は非生産的なのか、疎まれ、排除される存在なのか。そうではない。
  〇孤立化、孤立死  未曽有の「多死社会」。増える無縁仏。
   独居高齢者は2022年で約672万人。
   孤独死は2010年で推計約32000人。現在はさらに増加か。
   独居老人の45%が「孤独死を身近に感じる」。
  〇介護に伴う虐待  2006年に高齢者虐待防止法施行
   暴力、暴言、無視、介護放棄、ベット固定、預貯金の無断使用等。
   家族介護の虐待。年間約17000件。悪徳商法被害、成年後見人の不正等も増加。
  〇生活困窮  「下流老人」の言葉が登場。これでいいのか。

4)楽しく生き抜くにはどうすべきか。
  長寿は素晴らしい。嘆くのではなく、長い「第二の人生」を生き生き
  と充実させる。
  カギは「高福祉」「高負担」に加える「高参加」。               
  とにかく「社会とつながる」「他者とつながる」ことだ。社会参加を。      
  〇生き生き老後の秘訣
    ●社会とつながる ●地域とつながる ●人とつながる
  
  「高齢者の就業率が高い地域ほど、医療費が安く平均寿命は長い」
   ➡福岡県:就業率全国で45位。高齢者一人当たり医療費全国トップ。
    ※このままでは、福岡県の国保制度が全国で最も早く、行き詰まりかねない。

   ➡長野県:男女とも長寿日本一。高齢者一人当たりの医療費は日本最低。
    ※秘訣は高齢者の就業率の高さ。公民館数も1525館と日本一。
     スローガン「ピンピンコロリ」「人生二毛作」
        現在「誰にでも居場所と出番がある信州」

5)社会参加には多くのメリットがある
  ・健康維持。体を動かす高齢者ほど健康状態がいい。
  ・社会参加は認知症のリスクを低減する。
  ・社会参加をしない人ほど、要介護度が高くなる。生存率が低下。
  ・男性は現役時代の肩書にこだわりすぎ、地域デビューができない。
  
  〇個人の対応。とにかく自宅にこもらず社会参加を。年齢など関係ない。
  ・アルバイト就労でも、ボランティアでも、趣味でも、自治会活動でも、
   通学路の旗振りでも、なんでいいから、とにかく、外出して社会とつながる。
  ・米の疫学調査「孤独な人は人とのつながりを持つ人と比べ、早死のリスク50%UP。」
  ・60歳以上「親しい友人がいない」日本31%、独13%、米14%。
  ・好奇心を持ち続ける、目標を持つ、興味関心を失わない、恋愛も。
  ・人は加齢で老いるのではない。夢や感性を失ったら老いるのだ。
  ・【就労】は、生きがいにつながる。生活の規則正しさ。リズムにつながる。
    健康維持。医療費低減。社会の中に居場所ができる。孤独を防ぐ効果。

  〇地域社会の取組。鍵はネットワーク、柔らかい近隣関係、ご近所の底力
  ・家族の絆を昔のように強めるのは難しい。いい意味での「お節介社会」を。
  ・「高齢者見守りネットワーク」が必要。
    近隣の高齢者や家族介護の異変を察知したら
       ➡自治会、民生委員等を通じて「地域包括支援センター」の専門職へ
  ・福岡市高齢者などの「見守りダイヤル」 080-9100-0883

  「ありがとう」「お互い様」が、ごく普通に行きかう地域社会に

 後半は、中川先生のピアノ弾き語りです。ある講演会の参加者から「先生はどんな趣味をお持ちなんですか?」と尋ねられたそうです。仕事の虫だった先生は、これといった趣味もなかったそうですが、学生時代にギターを弾いて音楽に親しんでいた(和音のコードは分かる)ので、中古のキーボードを購入されて好きな曲を演奏され始めたそうです。62歳を過ぎてからです。
 左手は和音中心で、右手でメロディーを奏でられながら、秋の歌からクラシック、ビートルズとたくさんの歌を披露していただきました。参加された皆さんも同年代の方だったので、事前に配られた歌詞カードを見ながら一緒に口ずさまれていました。

●参加された皆さんからの感想をご紹介します。
 
 ・先生のお話、最初から最後まで素晴らしかったです。なるほどと頷けること
  ばかりでした。これから行く道・帰る道みたいな…。三世代、四世代で子ど
  もの頃住んでいました。今は、核家族で、それぞれ別になり冠婚葬祭だけし
  か顔を合わせない…。
 ・大変有意義なお話ありがとうございます。生きていくうえで無駄な時間を使
  わないように気を付けて生活したいと思います。
 ・社会参加の大事さを再認識しました。益々参加します。ありがとうございま
  した。
 ・79歳、すごく為になる話が聞けました。先生の生き方で、ピアノを選ばれて
  話の最後にみんなで一緒に!すごく楽しく良かったです。
 ・地域の中で、社会とのつながり、仲間づくりを大切にすることを改めて確認
  することができました。
 ・おもしろい話で聞き入りました。ピアノもとても感動しました。私もいろい
  ろやっていますが、なかなか人前で出来ません。今後も公民館の色々な行事
  に出席したいと思っています。

 END