2022年6月28日火曜日

公民館事業報告 Part(4)        第2回「花っ子クラブ」

   〇6月25日(土)「心の学習会」(登録小学生対象)

 梅雨の雨模様の中、第2回目の「花っ子クラブ」を開催しました。今回は座学になりましたが、南区生涯学習推進課の人権教育推進員 日尾野さんをお迎えして「心の学習会」と銘打って、落ち着いた雰囲気の中「思いやりの心」について学びました。

 日尾野推進員は、元小学校の校長先生で子ども達との関係づくりはばっちりです。事前に資料も用意していただき、とっても優しい口調で学習を進められたので、異年齢の子どもたち32名でしたが、とても集中した90分間でした。


 
 心の学習は、「ねずみくんのチョッキ」でおなじみの『なかえ よしを』さんが人権学習の教材として作られた「ねずみくんのきもち」というDVDを視聴することからスタートしました。
 【あらすじ】※著作物利用許可の関係から内容については文書による表現だけになります。
 ねずみくんは、公園で仲良しのねみちゃんをまっていました。そこに猫君がやってきていじわるをしました。ねずみくんはなぜいじめられるか考えました。体が小さくていつも失敗ばかりするからかなあ~。そこへフクロウさんがやってきて教えてくれました。それは猫君が一番大切なものを忘れているからだよ。それは思いやりの心だよ。思いやりの心がないと弱い子や自分以外の人や物をいじめてしまう。争いが起こってしまう。
 生きているものすべては関わり合いながらいきている。誰か、何かが一つ欠けてもこの世の中は成り立っていかない。だから一人一人、自分以外の人や物の事を思いやる心が大切なんだ。体が小さいから心も小さいわけではない。思いやる心は目で見えないけれど、みんな同じように心を持っている。体の大きさや形など一人一人違いがあるけど、違いがあるからお互いがお互いを思いやる心も育っていく。みんな違うから違っていいんだ。みんな必ず思いやる心を持っている。いじわる猫君もきっと他を思いやる心:いいところを持っている。
 ねみちゃんがやってきて一緒にお弁当を食べているときに、猫君がやってきた。ねずみくんは最初ドキッとしたが、勇気をもって「猫君一緒に食べようよ」と言えるようになった。
     集中して先生の話を聞く子ども達
 DVDを見て、先生の振り返りを聴いた後に、自分なりに感じたことを、絵で表したり文章で表現したりしました。最後は、自分が書いた絵や文章の発表をしました。恥ずかしがって口ごもる子もいましたが、それぞれの個性に応じてたくさん発表してくれました。きっと一人一人の心の中に「思いやり」の大切さを感じる芽が育ち始めたのではないかと思います。感想を書いた紙はそれぞれに持ち帰っています。是非ご覧になり子どもさんに一言声かけをしていただいたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。
 ※編集後記(失敗談)
 他にもたくさんの活動の様子を写真で撮ったのですが、なんと途中でカメラを床に落としてしまい。途中からのデーターが吹っ飛んでしまいました。今回お見せしている数枚だけが何とか保存できたものです。次回の花っ子は「樋井川の自然観察会」に出ての活動になります。失敗しないようにカメラを首から下げて子どもたちの生き生きした表情をご報告できるようにしたいと思います。
  




2022年6月24日金曜日

公民館事業報告 Part(3)「どこでも美術館 アウトリーチ」「一人一花講座」

  〇6月23日(木)「よりあい塾花畑」(成人~高齢者)

  「どこでも美術館 アウトリーチ」の報告です。

 今回は福岡市美術館の出前講座で、シャガールの複製画をもとに参加者(今回は20名)それぞれに想像力を発揮してもらって楽しい鑑賞会を体験することが出来ました。美術館からは4人の学芸員の先生方に来ていただきました。参加者が想像力を発揮しやすい工夫されたプログラム展開で、遠い昔?学校の図工の時間に戻ったような楽しいひと時でした。

左から森元先生、﨑田先生、渡抜先生、山木先生の精鋭カルテット学芸員

 鑑賞会は2部構成になっており

【第一部】 自分の作品作り 

      ①シャガールの絵の一部を印刷した用紙に、絵を描きます。
    ※参加者にはシャガールの絵の一部であることは知らせていません。
﨑田先生「何の絵でしょう?どんな絵かな?」
    「正解することが目的ではありません。楽しく絵を描いたり、
     色々な材料を使ってコラージュを作ったりしてください。」
参加者からは
    「何をさせられるか前もって知らせてほしかったあ~!」と…。
     不安な声も……。
 ところが、始まってみれば参加された皆さんの手はどんどん動くではありませんか。個人差はありましたが、みなさんご自分の想像力をいっぱいに働かせ、用紙の余白に色々な物語を作って絵を仕上げていかれました。学芸員の先生方も「こんなに生き生き作品を作られる様子は初めて見ました」と感心されていました。





 真剣な中にも、お互い声を掛け合って事前の鑑賞会が始まっているかのようでした。4人の学芸員の先生方の声掛けも参加者の皆さんの手が進む原動力になっていたようです。

    ②描いた絵を﨑田先生の講評を得ながら皆さんで見合いました。

 30分~40分の短い時間でしたが、自分の作品を作った思いを語られたり、ほかの人の思いを感じ取ったり、絵の出来具合に感心したり、想像力の花がいっぱい咲き誇っているようでした。

         さて、シャガールの作品とは…?

【第二部】 シャガールの絵を鑑賞する 
 
      ①「空飛ぶアトラージュ」をじっくり観る

 出前美術館ということで、今回はレプリカの作品を持って来ていただきました。しかし、「今から本物の作品を扱うとのと同じようにデモンストレーションを行います」と言われ、お二人の学芸員さんは本物の作品を扱う様に手袋をされ、慎重に慎重に箱から取り出して、講堂の前面に掲示されました。作品が現れると、参加者の皆さんは思わず声をあげられて、作品に見入っておられました。
 﨑田先生から「何が書いてあるか、何を感じることができるか、じっくり観て下さい」と言われたので参加者の皆さんの絵を見る表情は真剣そのものでした。

      ②鑑賞して見えてきたもの、感想を出し合う 
 自分の想像力を活かして作品を作り上げたのがベースにあるので、シャガールの絵を鑑賞した後の感想も気づきがいっぱいです。﨑田先生の「何が書いてありましたか?」の問いに
「悪魔がどこかに連れて行っているのでは」「赤ちゃん」「武器」
「戦争から逃げるために安全な所へ連れて行っている」
「銃で殺された人たち」「暗い感じだけど前向きにも見える」
「部分的に明るい幸せを感じる」
「銃でなく、ラッパみたい、ブレーメンの音楽隊?」
「生と死の対比を感じる」

      ③作品について渡抜学芸員さんの話を聞く
      
 マルク・シャガール(ベラルーシ出身、ユダヤ系)が、作品を仕上げたのは1945年の第二次世界大戦が終わった年です。シャガールは、その前年に奥さんを亡くしており絵を描く気力を失っていましたが、娘さんの励ましで再起を期して描いたのが、今回の作品「空飛ぶアトラージュ」です。※アトラージュは鳥の後ろに描かれているソリのことです。
 みなさんも、美術の教科書で見たこともあるのではないでしょうか。なんとこの作品が福岡市美術館にあるのです。常設展示してあるということですので、ぜひ本物をご覧になってみては如何でしょうか。
 福岡市美術館(大濠公園内)は2019年にリニューアルされ、食堂やカフェもあり、約17,000点の作品(近現代~古美術まで)を所蔵しているそうです。2~3カ月に一回は展示内容を変えてるそうです。「たくさんの皆さんのご来館をお待ちしております」と宣伝もされていました。

 最初は、何をさせられるか不安そうな表情の参加者の皆さんでしたが、最後は、学芸員の先生に色々な質問も出されており、1枚の絵を通してご自分の想像力を再認識する時間になったのではないかと思います。あっという間の90分、楽しい鑑賞会を企画していただいた4名の学芸員の先生方に、たくさんのお礼の言葉が出ていました。


  〇6月23日(木)「一人一花講座」(校区民対象)

  「仲の原公園の花壇が夏バージョンに」花植えの報告。

 福岡市の地域の担い手パワーアップ事業の一つとして、花畑公民館では本年度より「一人一花運動」を進めていこうとしています。花畑校区は、その昔花の畑が広がっていたいたことから「花畑」の地名が残っているという説もあります。花を通して地域の人が繋がり、お互いに関わり合うことで心豊かな日々を過ごせる環境づくりが出来ればと願っています。校区には、お花好きな任意のボランティア団体「花畑彩(いろどり)の会」(昨年の秋より)が立ち上がっています。今後、福岡市が進めている「一人一花運動」の協力を得ながらお花の輪が広がっていくといいですね。

 今回は、公民館職員2名と彩の会の方5名合わせて7名で、仲の原公園の花の植え替えをしました。風が強く蒸し暑い日でしたが、皆さん汗を流しながらしっかりと根が定着するように作業を進められました。苗の種類は「トレニア」「ベゴニア」「マリーゴールド」「日日草」「ひまわり」で、どれも夏の暑さに強い花たちです。花を通して、公園で遊んでいる子、地域の方々、通りがかりの人、それぞれに花の話題が広がっていくといいですね。

  ベゴニア      マリゴールド      トレニア

    日日草       ひまわり
        暑い中お疲れ様でした。
   


2022年6月20日月曜日

花畑キッズスペース,11月予定「柏原自然公園」「桧原運動公園」下見に行ってきました。

  公民館主催事業の「花畑キッズスペース」(小学生対象)は、例年夏休み期間中に自由研究等の課題解決の場として開催しております。今年度は、活動期間を夏休み期間中に限定せず、校区近辺にある自然に目を向け、活動の場を広げる取り組みを行いたいと思っています。      

 今回は、緑のコーディネーター10期生の森 圭美さん(グリーンリンク代表)のアドバイスをいただきながら、近隣の公園の樹木に触れて「木のことについて詳しくなろう」というワークショップを開催する予定です。そこで、先週の17日(金)に、森さんと福岡市緑のコーディネーター 白石 孝信さんに来ていただいて、柏原自然公園と桧原運動公園に下見に行ってきました。ワークショップの開催予定は、秋も深まった11月に予定しており時期が違いすぎると思われる点はありますが、今回下見をしてみて、秋に向けて準備が進んでいる樹木があるのを発見することも出来ました。すぐ近くの公園ですので皆さんもちょっと視点を変えていろいろな木を観察されては如何でしょうか。下見で発見した自然の一端をご紹介します。

 〇柏原自然公園           

 柏原営業所の一つ手前のバス停にある公園です。入り口付近の水辺で
は夏になると多くの人が涼を求めて遊びに来るようです。(駐車場の利用
可能期間7/1~8/31)展望台もありますがあまり人の出入りは多くないよ
うです。パークサイドゴルフ練習場につながる道があり公園になっていま
すが、草刈等の整備も行き届いてない状況でした。
 
     入り口付近のアジサイは今が見頃です。     
           
     実をいっぱいつけた、ハート形の葉っぱのハナズオウ           
     約10㎝のムカデ発見!           
      桜の枝がほうき状に…?白石先生によると病気に
      かかっているそうです。          
 イスノキ(柞の木)の実(昨年の)が鈴なりになっていました。一つとってみると中央に丸い穴が開いており殻が割れていました。簡単に開くと思いきや、とっても固く力を込めてやっとでこじ開けると白い粉が。白石先生によるとカタビロコバチが実に穴をあけて卵を産み付けるとのことです。殻が固いのは既に蜂が成長した後だったようです。「イスノキ」を調べてみると、成長がゆっくりしているため木が固く育つそうで、そろばんの玉や櫛の材料として使われていたようです。

 〇桧原運動公園 
 子ども達が安全で自由に動き回れるもっといい場所はないかな?と、次に桧原の運動公園に場所を変えて下見をしてみました。
                  
 駐車場のトイレ付近から多目的広場の東側を通り、管理事務所広場から階段を上ってテニス場へ向かってテニスコートをぐるっと回りました。帰りに管理事務所によって、多目的広場を横断するようにルートの下見をしました。桧原運動公園は公園の施設だけでなく樹木それぞれにも表示がしてあり、木の学習をするにはうってつけの場所と言えるようです。
 今回は、いくつか目についた樹木を紹介したいと思います。
このように木の名前と花期や結実期、特徴などが紹介されています。
 マテバシイの札の結実期をよーく見ると、翌年10月となっています。これは、どんぐりに結実するまでに約2年かかるという事を白石先生から教えて頂きました。すでに今年結実するどんぐりの実がついているのですが結実しきれずに小さなからがついたままの昨年の枝もありました。写真をよくご覧になって下さい。

 さて、次にご紹介するのは栗の木の葉と、クヌギの木(クワガタムシなどが好んでやってくる木)の葉を比べて見ましょう。

 どちらも似たような葉っぱですが、よーく見ると左の方の葉先が白っぽく見えませんか、左がクヌギの木の葉で、右が栗の木の葉です。クヌギの木の葉先はトゲトゲして色素はありませんが、栗の木の葉先は葉の先まで葉緑素があり、光合成をするそうです。二つの木は見た目は全く同じですが、葉先と木の実を比べて初めて見分けがつくようです。左が大きなドングリを付けたクヌギで右が丸丸とした実をつけた栗の木です。
 昨年の夏から秋にかけての忘れ物?セミの抜け殻と栗の実が並んで落ちていました。周囲に「イノシシ出没注意‼」の看板がありましたが、イノシシもこの栗の実には気がつかなかったようです。

 管理事務所で尋ねてみると、桧原運動公園には133種類やく2000本の樹木が植わっているそうで、木の勉強をするにはもってこいの場所と言えるようです。開催日は11月の後半を予定しています。日程も含め詳しい学習内容等決まりましたら、またお知らせしたいと思います。乞うご期待。
 今の時期、多目的広場は一面シロツメクサが咲き誇っています。ミツバチや四つ葉のクローバーとの出会いもあると思います…。