2022年6月24日金曜日

公民館事業報告 Part(3)「どこでも美術館 アウトリーチ」「一人一花講座」

  〇6月23日(木)「よりあい塾花畑」(成人~高齢者)

  「どこでも美術館 アウトリーチ」の報告です。

 今回は福岡市美術館の出前講座で、シャガールの複製画をもとに参加者(今回は20名)それぞれに想像力を発揮してもらって楽しい鑑賞会を体験することが出来ました。美術館からは4人の学芸員の先生方に来ていただきました。参加者が想像力を発揮しやすい工夫されたプログラム展開で、遠い昔?学校の図工の時間に戻ったような楽しいひと時でした。

左から森元先生、﨑田先生、渡抜先生、山木先生の精鋭カルテット学芸員

 鑑賞会は2部構成になっており

【第一部】 自分の作品作り 

      ①シャガールの絵の一部を印刷した用紙に、絵を描きます。
    ※参加者にはシャガールの絵の一部であることは知らせていません。
﨑田先生「何の絵でしょう?どんな絵かな?」
    「正解することが目的ではありません。楽しく絵を描いたり、
     色々な材料を使ってコラージュを作ったりしてください。」
参加者からは
    「何をさせられるか前もって知らせてほしかったあ~!」と…。
     不安な声も……。
 ところが、始まってみれば参加された皆さんの手はどんどん動くではありませんか。個人差はありましたが、みなさんご自分の想像力をいっぱいに働かせ、用紙の余白に色々な物語を作って絵を仕上げていかれました。学芸員の先生方も「こんなに生き生き作品を作られる様子は初めて見ました」と感心されていました。





 真剣な中にも、お互い声を掛け合って事前の鑑賞会が始まっているかのようでした。4人の学芸員の先生方の声掛けも参加者の皆さんの手が進む原動力になっていたようです。

    ②描いた絵を﨑田先生の講評を得ながら皆さんで見合いました。

 30分~40分の短い時間でしたが、自分の作品を作った思いを語られたり、ほかの人の思いを感じ取ったり、絵の出来具合に感心したり、想像力の花がいっぱい咲き誇っているようでした。

         さて、シャガールの作品とは…?

【第二部】 シャガールの絵を鑑賞する 
 
      ①「空飛ぶアトラージュ」をじっくり観る

 出前美術館ということで、今回はレプリカの作品を持って来ていただきました。しかし、「今から本物の作品を扱うとのと同じようにデモンストレーションを行います」と言われ、お二人の学芸員さんは本物の作品を扱う様に手袋をされ、慎重に慎重に箱から取り出して、講堂の前面に掲示されました。作品が現れると、参加者の皆さんは思わず声をあげられて、作品に見入っておられました。
 﨑田先生から「何が書いてあるか、何を感じることができるか、じっくり観て下さい」と言われたので参加者の皆さんの絵を見る表情は真剣そのものでした。

      ②鑑賞して見えてきたもの、感想を出し合う 
 自分の想像力を活かして作品を作り上げたのがベースにあるので、シャガールの絵を鑑賞した後の感想も気づきがいっぱいです。﨑田先生の「何が書いてありましたか?」の問いに
「悪魔がどこかに連れて行っているのでは」「赤ちゃん」「武器」
「戦争から逃げるために安全な所へ連れて行っている」
「銃で殺された人たち」「暗い感じだけど前向きにも見える」
「部分的に明るい幸せを感じる」
「銃でなく、ラッパみたい、ブレーメンの音楽隊?」
「生と死の対比を感じる」

      ③作品について渡抜学芸員さんの話を聞く
      
 マルク・シャガール(ベラルーシ出身、ユダヤ系)が、作品を仕上げたのは1945年の第二次世界大戦が終わった年です。シャガールは、その前年に奥さんを亡くしており絵を描く気力を失っていましたが、娘さんの励ましで再起を期して描いたのが、今回の作品「空飛ぶアトラージュ」です。※アトラージュは鳥の後ろに描かれているソリのことです。
 みなさんも、美術の教科書で見たこともあるのではないでしょうか。なんとこの作品が福岡市美術館にあるのです。常設展示してあるということですので、ぜひ本物をご覧になってみては如何でしょうか。
 福岡市美術館(大濠公園内)は2019年にリニューアルされ、食堂やカフェもあり、約17,000点の作品(近現代~古美術まで)を所蔵しているそうです。2~3カ月に一回は展示内容を変えてるそうです。「たくさんの皆さんのご来館をお待ちしております」と宣伝もされていました。

 最初は、何をさせられるか不安そうな表情の参加者の皆さんでしたが、最後は、学芸員の先生に色々な質問も出されており、1枚の絵を通してご自分の想像力を再認識する時間になったのではないかと思います。あっという間の90分、楽しい鑑賞会を企画していただいた4名の学芸員の先生方に、たくさんのお礼の言葉が出ていました。


  〇6月23日(木)「一人一花講座」(校区民対象)

  「仲の原公園の花壇が夏バージョンに」花植えの報告。

 福岡市の地域の担い手パワーアップ事業の一つとして、花畑公民館では本年度より「一人一花運動」を進めていこうとしています。花畑校区は、その昔花の畑が広がっていたいたことから「花畑」の地名が残っているという説もあります。花を通して地域の人が繋がり、お互いに関わり合うことで心豊かな日々を過ごせる環境づくりが出来ればと願っています。校区には、お花好きな任意のボランティア団体「花畑彩(いろどり)の会」(昨年の秋より)が立ち上がっています。今後、福岡市が進めている「一人一花運動」の協力を得ながらお花の輪が広がっていくといいですね。

 今回は、公民館職員2名と彩の会の方5名合わせて7名で、仲の原公園の花の植え替えをしました。風が強く蒸し暑い日でしたが、皆さん汗を流しながらしっかりと根が定着するように作業を進められました。苗の種類は「トレニア」「ベゴニア」「マリーゴールド」「日日草」「ひまわり」で、どれも夏の暑さに強い花たちです。花を通して、公園で遊んでいる子、地域の方々、通りがかりの人、それぞれに花の話題が広がっていくといいですね。

  ベゴニア      マリゴールド      トレニア

    日日草       ひまわり
        暑い中お疲れ様でした。