2022年10月7日金曜日

事業報告13 「伊藤 半次:戦地からの絵手紙」

 

922日(木)よりあい塾「伊藤 半次:戦地からの絵手紙」

今回の「よりあい塾」は、テレビや新聞で紹介されたことのある「戦地から愛のメッセージ」を書かれた伊藤 博文さんに講演をしていただきました。

この本は、伊藤 博文さんの祖父にあたる伊藤 半次さんが戦地で書き続けた絵はがき約400通を収録されたもので、家族の絆や平和の尊さを語ってあります。

伊藤さんは、講演が始まる前に会場後方に絵手紙を並べられ、参加された皆さんが自由に見られるようにされました。

 絵手紙は、伊藤さんの祖父:伊藤 半次さんが昭和15年に旧日本陸軍に入隊し、その後満州出征、最後は沖縄へ転戦し32歳の若さで戦死されるまでの5年間に書かれたものです。
「戦地からの愛のメッセージ」の はじめに から引用いたします。

「祖父は、平成25年9月に他界した私の父(次男 允博:よしひろ)が生まれた年に戦争に行きましたので、父には祖父の記憶がほとんどありませんでした。当然、その息子である私が祖父の話しを聞いたことは数えるくらいしかなく、祖父というより、現在の私の年齢よりひと回り以上若い32歳の若さで、愛する家族を残し、過酷な戦地で無念の最期を遂げた一人の青年といったイメージの方が強く、なんとも複雑な心境です。 
 第二次世界大戦における日本の死者数は約230万人、民間の死者数は約80万人(厚生労働省資料など)と言われています。その陰には、それだけ多くの方々の遺族や愛する人たちがいたということです。そして悲しみをこらえ、激動の時代を強く生き抜いてこられました。私の父や祖父がそうしたように。<中略>
 さらに目を世界に移しますと、現在もあちこちで軍事的緊張が高まっており、一歩判断を間違えば大変なことになりかねない状況にあります。そうした今だからこそ、祖父・半次の書簡はことさら大きな意味を持っているように思います。」  2014.8.15発行

 今回のよりあい塾には19名の方の参加があり、校区外から来られた方もあり、皆さん熱心に伊藤さんの話に聞き入っておられました。

 伊藤さんは講演の最初に、オバマ大統領が広島の原爆資料館を来訪され、被爆者の坪井さんとハグされている写真を示され、「大人はこの写真が当たり前のように記憶に残っていますが、今の小学生は殆ど知らないと思います。私たち大人が平和の大切さを語り継いでいくことがとても大切だと思います。」と語られました。
 また、オバマ大統領の言葉「愛する人たちのことを考えるために。朝、子どもたちが見せる最初の笑顔。妻や夫といったパートナーがキッチンのテーブル越しに見せてくれる気遣い。そして、安心をくれる両親からの抱擁。私たちは、同じような大切な瞬間の数々が、ここ広島で71年前、多くあったことに思いをはせることができます。」を引用され、一人の戦死者の周りには多くの悲しむ人がいたことを私たちは決して忘れてはいけないと言われました。
半次さんは愛のメッセージを送り続けた


 伊藤さんは、お父さんが亡くなったのを期に、おじいちゃんの絵手紙に出会い、この絵手紙で家族が再び一つになれたことを若い人にも伝えていかねばならないと思い、それから、おじいちゃんの足跡を辿り始めたそうです。


伊藤 半次 5年間の足跡































































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