●9月5日(金) 19:00~
福岡市のバックアップで、ユマニチュード講座を開催しました。ユマニチュードとは、認知症の理解や認知症の方への接し方(スキル)を学ぶ、フランスで生まれたケアの技法です。 当日は、福岡市ユマニチュード地域リーダーの溝口 裕之さんを講師にお招きして、15名の方と館長・主事も交えて、認知症の正しい理解と具体的な実技体験を学習することができました。
ユマニチュードの基本は、認知症で不安や焦りのある対象者に「あなたのことを大切に思っています」というメッセージを送ることです。そのために次の4つの柱(基本技術)「見る」「話す」「触れる」「立つ」があります。①「見る」(みつめる)
母親が子どもの顔を見つめながら話しかけたり、恋人同士がお互いを見つめ合ったりすることと同じです。溝口先生からは、「2人ペアでお互いに1分間見つめ合ってください」と課題が出されました。これは、意外と難しいものです。どうしても、笑ったり、恥ずかしくなったりして目をそらしてしまいます。
②「話す」
できるだけ低めのトーンで、穏やかにゆっくりと、抑揚をつけ、前向きな言葉を使って話すといいそうです。いつもの3倍くらいたくさん話しかけることが必要だそうです。
③「触れる」
先生は、「広く、ゆっくり、なでるように、つつみこむように」を心がけて下さいと言われました。言葉によらないメッセージを対象者にたくさん届けることができるようです。気を付けることは腕を捕まえないことです。人は腕をつかまれると「自由を奪われる」「何か罰を受けている」と本能的に感じてしまうそうです。
④立つ1日に合計で20分間立つことができれば、寝たきりにならずに最後の日まで立つ力を保つことができるそうです。連続して20分間立つ必要はないそうです。歯を磨く・トイレまで歩く・髭を立ってそるなど数分間の動作の積み重ねでいいようです。
研修の中で、ユマニチュードの体験をされている家族のDVDを見せてもらいました。家族が「あなたのことを大切に思っていますよ」というメッセージを言葉で、態度で表していくと対象者の表情が変化していくことがはっきりと見て取れました。
認知症の方がおられる家族の声の中に
「今は、認知症の方を困っている人と思えるようになり、困りごとの原因は何か、その原因を何とかできないかと思えるようになりました。認知症だけでなく人と人とのかかわり全てにこうした意識があれば、もう少し優しい社会になるのかなあと思っています。」
と書いてありました。いろんな人にユマニチュードの考え方を紹介していきたいと思いました。この研修を受けた公民館という事で、次のようなシールをいただきました。