2022年7月19日火曜日

事業報告(5)公民館サークル会員対象「救急法講習会」

  7月16日(土)に福岡市防災センターの消防出前講習「救急」が行われました。末松さんと徳安さんの軽快なお話と実技を交えて、真剣に、かつ、分かりやすく最新の救急法の考え方を学ぶことが出来ました。今回の参加者は、各サークルの代表の方25名と公民館職員4名の合計29名です。公民館にはAEDが設置してあるので、有事の時には私たち職員が率先して対応しなければなりません。

 今回は、10:00~11:00までの限られた時間でしたが、次のような内容で講習会が行われました。                      ①福岡市の救急概要②熱中症につて③胸骨圧迫④AED 



■応急手当の基礎知識としていただいたパンフレットには次のように書かれています。
私たちは、いつ、どこで、突然のけがや病気におそわれるか予測できません。このような時、病院へ行くまでに出来る手当を「応急手当」といいます。また、様々な原因で呼吸が止まったり心臓が止まったりした場合には、救急車が来るまでにその場に居合わせた人が手当てをしないと命は助かりません。このような時に行う応急手当を特に『救命処置』といいます。」

 福岡市の場合、119番通報をして何分くらいで救急車が到着すると思いますか? コロナの感染状況にも左右されるそうですが、平均で 8分21秒 かかるそうです。つまり、万一の場合その場に居合わせた人は、救急車が来るまでの約8分間、救命処置をしなければならないということです。

 
 救命処置の流れは、
1 安全を確認(周囲の安全を確保します。)
2 反応の確認(「大丈夫ですか?」と呼びかけ、意識の有無を確認
        します。)
3 助けを呼ぶ(「救急車を呼んでください!」「AEDを持って来て
        下さい!」)
4 呼吸をみる(胸と腹部の動きを見て、動いていなければ心停止と
        判断します。)
5 胸骨圧迫!(強く・速く・絶え間なく。圧迫して血液を循環させ
        ます。)
        ※心臓のポンプの代わり、1分間に100~120回
6 AED到着 (電源を入れ、電極パットを装着します。)
        ※音声ガイダンスの指示通りに

 心停止を確認したら、いよいよ胸骨圧迫開始です。末松さんの話によると、心臓が止まって、脳に3分間血液が流れないと障害が残るそうです。一刻も早く胸骨圧迫をして心臓の代わりをしながら、全身に血液が流れている状態を確保し続けなければなりません。これは、AEDが届くまで、救急車が届くまで、絶え間なく行う必要があります。年間、約6万人の人が心臓突然死で亡くなっているそうです。一人でも多くの命を救うために冷静な行動が求められます。
 参加された皆さんは、胸骨圧迫の専用の器具を使って真剣に圧迫の仕方を学んでおられました。最初はぎこちなかった動きも徐々に慣れてきて、押す時に「キュッ!」と鳴る音もそろう様になってきました。実際に押していた時間は1~2分くらいでしたが、万一の時は「絶え間なく」ですから、もっと圧迫を続けなければいけません。一人の力だけでなく周囲の人の協力が必要になってきます。
 胸骨圧迫を続けているうちに、AEDが到着です。今回は実際に動作確認をすることはできませんでしたが、ポイントは電源を入れさえすれば後は「音声ガイダンス」の指示通りにやれば使用できることが分かりました。スマホのアプリでAEDの設置場所も確認できるそうです。
 「AED準備➡電源を入れる➡電極パット➡離れる➡通電ボタン➡胸骨圧迫再開」この流れで落ち着いて対応することが大切です。
 


 AEDの使い方を学んだ後は、119番通報の仕方を教えて頂きました。通報の仕方?簡単なように感じますが、通報するという緊迫した状況ではほとんどの人が慌てるようです。救急車を要請するつもりが110番にかける人も少なくないようです。特に身近な人に万が一のことが起こっている場合は、冷静さを失って通報することが多いようです。今一度、下の内容を確認しておきましょう。
 最後に、質問タイムで
○AEDの電極パットを張り間違えても大丈夫か?
  ➡大丈夫です。
○女性の場合のAEDの使い方は
  ➡ 女性が見えないように人で壁を作ったり、タオル等で周囲から見えないように配慮することが必要です。服をすべて脱がさなくてもAEDは使用可能です。
○人工呼吸は(口対口)
  ➡人工呼吸よりも胸骨圧迫を優先して

 あっという間の1時間でした。内容が豊富で忘れてしまったこともあるかもしれませんが、救命救急法は繰り返し学んでほしいと言われました。最後にAEDによって命を救われた方からの言葉をご紹介します。