2023年9月20日水曜日

事業報告15 公民館サークル人権学習会

 ● A:9月13日(水)10:00~ B:9月19日(火)19:30~ 

 2回に分けて、サークル人権学習会が開催されました。基本的に各サークル2名の参加をお願いしておりました。Aが31名、Bが21名の合計52名の方の参加がありました。

 今回は、南区生涯学習推進課、人権教育推進員の白石 伸二さん(花畑校区担当)に講師をお願いしました。内容は、公民館のサークル活動について、福岡市における人権教育について、性的マイノリティについて、と、DVD「バースデー(トランスジェンダー)」の視聴がありました。一つ一つの内容を丁寧に分かりやすく教えていただきました。

●研修内容の概略を白石先生の資料をもとにご紹介します。

 (1)公民館サークル活動について

  • 【目的】地域の人たちの共通の趣味などを通して、地域の人と人とのつながりを活性化すること(娯楽や技術の向上だけが目的ではありません)                                   【意義】地域社会の中で豊かな人間関係を作り、サークル活動の成長を地域に還元すること                                       【形態】サークル活動は自主的・主体的な活動であり、入会・退会は原則自由 
  • サークル活動の目的からすると、個人で楽しむだけでなく、人とのかかわりを大切にすることが求められています。サークル活動を通して、校区のいろんな行事にも積極的に活動していただくことも大切です。

 (2)サークル活動を楽しく進めるために

  • ○誰もが楽しんで活動し、サークル活動を盛り上げていくこと           ○お互いを理解しあい、尊重できるようになること                ○サークルの中で自分の居場所があり、一人一人が大切にされていること 
  • 個人の楽しさだけでなく、周りの人も共に楽しめるにはどのように活動したらよいか考えることも大切です。
 (3)福岡市における人権教育 

  • 平成16年に福岡市は、「福岡市人権教育・啓発基本計画」策定して、市民一人一人の人権が真に尊重される住みよいまちづくりをめざしています。
  • 目標「人権を尊重し、人の多様性を認め合うまち」の実現
  • 人権8課題 【同和問題】【女性に関する課題】【子どもに関する問題】【高齢者に関する問題】【障がい者に関する問題】【外国人に関する問題】【HIV感染者などに関する問題】【様々な人権問題】(LGBTQ、ホームレス、アイヌの人々、ネット被害等)
  • 福岡市では上記の8課題を中心に、市民生活の様々な場(学校・家庭・地域・企業など)において人権教育・啓発の取組が進められています。
 (4)性的マイノリティ(少数者)について
  • 性的少数者を差別的に見ない、配慮に欠けた行動をしないよう社会運動が進んでいます。
  • 今年、6月の国会で「LGBTQ理解増進法」が可決・成立しました。
  • 「性自認」とは、自分の性をどのように認識しているか。「心の性」と言われることもあります。多くの人は「身体の性」(戸籍に記載されている性)と「心の性」が一致していますが、「身体の性」と「心の性」が一致せずに自身の身体に違和感を持つ人たちもいます。必ずしも男女のどちらかとは限りません。
  • 「性的指向」とは、「どういう人を好きになるか」ということです。誰もが異性を好きになるとは限りません。同性が好きな人、どちらも好きな人、好きにならない人もいます。
  • 「LGBTQ」とは、それぞれの頭文字を取った呼び方です。                                      
   L レズビアン       (女の人を好きになる女の人)
   G ゲイ          (男の人を好きになる男の人)
   B バイセクシュアル    (男の人も女の人も好きになる人)
   T トランスジェンダー   (身体と心の性が一致せず、自身の体に違和感を持つ人)
   Q クウェスチョニング   (自分自身の性のあり方を決めたくない、分からない人)
  • 「LGBTQ」の日本での割合は 8.9% 11人に1人 (2020年調査)
  • 「LGBTQ」当事者の困りごと
  • 福岡市でも平成30年度より性的少数者の方への支援の一つとして「パートナーシップ宣誓制度」と導入して、市営住宅の入居の申し込みや、市立病院での診療内容説明・手術の同意など様々なサービスを実施しています。また、学校でも小学1年生の黄色い帽子を男女別から、すべて同じキャップに変えたり、中学生の制服を男女別から標準服に変えたり、人権読本「ぬくもり」を使って性の多様性を学んだり、いろいろな取り組みが行われています。
 (5)DVD「バースデー(トランスジェンダー)」     37分
  •  【考えたいこと】あなたがもし、家族からLGBTQを打ち明けられたら、どんな対応を取りますか?あなたがもし、LGBTQで悩んでいたとしたら、誰にどんな相談をしますか?性的少数者については、依然として社会理解が進まず、偏見や差別、配慮に欠けた対応があります。それゆえに自身の思いや悩みを打ち明けることが難しく、周囲の無理解に苦悩し、生き辛さを感じる状況など様々な問題があり、深刻な人権問題になっています。一方、性的少数者であることを打ち明けられた家族や友人等は、既成概念による偏見や知識不足によって、理解しようと向かう前に混乱や抵抗感にとらわれてしまうことが多くあります。性の在り方は多様で一人一人の人権に関わることであるため、性的少数者の存在や悩みに気づくことが大切です。この作品鑑賞を性的少数者について理解するきっかけとし、多様性を認め、人権を尊重する機会としましょう。 
  •  【作品内容】 この物語の主人公・美由紀は、娘だと思ってきた笑花(尊)から自認する性が男性であることを告げられ、激しく動揺します。 親としての感情ゆえに、はじめは拒絶する美由紀ですが、周囲の人々との交流などにより、性の多様性について少しずつ理解が進み、自分らしく生きようとする我が子の苦悩や願いに気づき、向き合っていこうとします。
 (6)まとめ
  •  最後に、「人権感覚を身に着けることは、多様性を知り・理解することからはじまります。正しく知らないということは、結果的に差別することにもつながる可能性があります。サークルでのいろんな人との出会いや人権学習会での学びなど、日々ちょっとしたことに関心を持ち、自分の考え方を振り返ることが大切です。性的少数者の人たちは日常の生活で「辛い」思いをされています。周囲の人たちが正しい知識を持ち、理解する姿勢が大切になります。横棒の「一」を辛いという字に付け足すと「幸」という字になります。日々のちょっとした努力「一」(しあわせの一筆)を心がけて生活することが大切だと思います。」とまとめられました。

 (7)参加された方のアンケートより

  •  私には障がい者の子どもがいます。今回はLGBTQの話でしたが、同様に人々が理解のある社会になっていけたらと思います。LGBTQの親と同様、障がい者の親も世間にどう見られるのか?とか辛いんですよ。
  •   大変勉強になりました。ありがとうございました。私は幼少のころから在日の方や部落の方と共に遊んで来ましたので、差別にさらされることはよくありました。自分は差別はしないと心に決めて歳をとりました。また一つ勉強しました。
  •    LGBTは知ってはいましたが、また新しい知識が増えて大変勉強になりました。
  •   大変良いお話をありがとうございます。知らないことばかりでした。知る事の大切さを学びました。確かに学び続けないといけない年ですね。
  •  LGBT、「Q」は初めて聞きました。今までフワッとしか知らなかった部分を正しく知る事が出来ました。ありがとうございました。
  •  改めて学び直しました。忘れていくので時々人権教育のお話を聞くのは大切ですね。